サッカー日本代表マークの謎|なぜ八咫烏?3本足の理由と歴史を解剖
サッカー日本代表のエンブレムをじっくり観察すると、鋭い眼光を放つ黒いカラスが堂々と足を3本広げ、黄色い地の上で赤い球を押さえている姿が分かります。現代の日常において、カラスはゴミを荒らす鳥として敬遠されがちですが、日本の精神史においてカラスは古来、太陽の使者であり神聖な生き物として崇められてきました。
このシンボルマークに描かれているのは、記紀神話(古事記・日本書紀)に登場する「八咫烏(ヤタガラス)」です。「咫(あた)」とは古代の長さの単位で、親指と中指を広げた長さ(約18センチメートル)を指します。「八咫」は文字通り八倍の大きさ、転じて「非常に大きい」「広大無辺である」ことを意味しています。
神話において、神武天皇が東征の途上で険しい熊野の山中で道に迷った際、高皇産霊尊(タカミムスビノミコト)の命を受けて天空から舞い降り、軍を大和の橿原まで迷うことなく道案内したのがこの八咫烏でした。日本サッカーの創成期、先人たちは代表チームの歩むべき道として「暗闇を切り裂き、常にチームをゴールへと、そして勝利の地へと導く存在」を求めました。その強い意志を託すアイコンとして、この導きの神鳥が選ばれたのです。