なぜ創業400年のやげん堀は別格か?三大七味の違いと調合の極意
日本のスパイス文化を語る上で欠かせないのが「日本三大七味」の存在です。東京・浅草の「やげん堀」、長野・善光寺の「八幡屋礒五郎(やつわたりやいそごろう)」、京都・清水寺の「七味家本舗(しちみやほんぽ)」の3社は、それぞれ発祥地の食文化と風土を色濃く反映した独自の進化を遂げてきました。
各社の原材料構成と風味の特徴を数値・データとともに整理すると、その設計思想の違いが鮮明に浮かび上がります。
特に八幡屋礒五郎とやげん堀の比較において注目すべきは、配合素材の狙いです。寒冷な信州で親しまれる八幡屋礒五郎が生姜の温煦作用と紫蘇の清涼感を効かせているのに対し、やげん堀は黒胡麻とけしの実の油脂分、そして焙煎唐辛子のスモーキーなコクを前面に押し出しています。かつお節と濃口醤油が効いた江戸前の汁に打ち負けないパンチ力を持たせるための必然的な調合設計であることが分かります。