「熊駆除かわいそう」抗議電話の殺到、命を守る現場の悲痛な叫び
一方で、安易な殺処分に対して強い異議を唱え続けているのが日本熊森協会をはじめとする環境保護団体だ。彼らは、人間が戦後の拡大造林で天然林を伐採し針葉樹を植えたことや、奥山の崩壊、地球環境の変化がクマを里へと追い詰めた根源的理由だと主張する。駆除という命の奪い合いではなく、広葉樹林の再生や餌資源の確保こそが根本的解決だと訴える。
保護団体の掲げる「森の再生」は、長期的視点に立てば不可欠な施策だ。しかし、いま目と鼻の先にクマが現れ、我が子の通学路を徘徊している住民にとって、数十年単位の環境再生論は即効性持たない。今すぐ命を守るための「管理」と、未来の生態系を守る「保護」の議論は、噛み合わないまま平行線を辿り続けている。