唯一無二の表現者・女優りょうの現在地と知られざる夫婦の真実
りょうの真骨頂は、作品のトーンを決定づけるバイプレイヤーとしての凄みにある。その代表格が、爆発的ヒットを記録した医療ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命』シリーズだろう。フライトドクター・三井環奈役として見せた、プロフェッショナルとしての冷徹さと、母・女性としての葛藤。抑制の効いた演技だからこそ、ふとした瞬間に溢れ出る感情が涙を誘った。
さらに、東野圭吾原作のサスペンス『流星の絆』では、悲劇の運命に翻弄される母親・有明塔子役を熱演。登場シーンの多寡にかかわらず、物語の根底に流れる切なさを決定づける重石となった。彼女が画面に映るだけで、空気の密度が変わる。日本のテレビドラマ史において、これほど沈黙で語れる演者は極めて稀だ。