アメリカンコーヒーの誤解を解く!浅煎りの芳醇とアメリカーノ
「薄くて物足りない」。そんな先入観を抱いているなら、今すぐその記憶をアップデートすべきだ。本来のアメリカンコーヒーは、焙煎度合いを抑えた浅煎りコーヒーの豆を使い、やや多めのお湯で抽出するスタイルのこと。焙煎によって深火の苦味をつけるのではなく、豆が生来持っているフローラルな香りや爽やかな酸味を楽しむための手法である。
日本で「アメリカン」と注文すると、深煎りブレンドにお湯を足したものが提供されるケースが多かったため「お湯で薄めたコーヒー」という印象が定着した。しかし、スペシャルティコーヒー業界が成熟した現代において、その捉え方は根底から覆りつつある。浅煎り豆は抽出効率が高く、豆の個性をダイレクトにカップに表現できるからだ。
ここで混同されやすいのが「アメリカーノ」の存在だ。同じ「アメリカ」の名を冠しながら、両者は製法も味わいもまったく異なる。アメリカーノは、高温高圧で抽出した濃密なエスプレッソに熱湯を加えて伸ばしたもの。一方のアメリカンコーヒーは、浅煎り豆を丁寧にドリップするドリップコーヒーである。重厚なクレマとコクが残るアメリカーノに対し、アメリカンは驚くほどクリアで、高級茶のように軽やかな口当たりを誇る。