太宰治『人間失格』結末の真相とは?大庭葉蔵が辿った破滅と裏設定

太宰治『人間失格』結末の真相とは?大庭葉蔵が辿った破滅と裏設定の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。

手記の最後に記された「人間、失格」という宣告。だが、この物語の真の衝撃は、手記のあとに置かれた「マダムの述懐」に隠されている。葉蔵が通っていたバーのマダムは、彼をこう回想するのだ。「私たちの知っている葉蔵さんは、とても素直で、気がきいて、神様みたいないい子でした」

自分自身を「人間失格」だと絶望していた葉蔵と、周囲から見た「神様みたいないい子」という印象。この圧倒的な落差こそが、本作が描く最大の悲劇だ。太宰治自身が命を絶つ直前に書き上げたこの作品は、彼自身の苦悩をそのまま反映した私小説的側面を持つと同時に、他者とのコミュニケーション不全を完璧な文学的仕掛けへと昇華させている。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。