『リリイ・シュシュのすべて』裏話とエーテルの真実、現在の配信先
映画の音楽制作を担当した小林武史の存在を抜きにして、この作品は語れない。彼が発掘し、リリイ・シュシュの歌声として抜擢されたのがシンガーのSalyuである。
ドビュッシーのピアノ曲を思わせるクラシカルな静謐さと、感情をささ逆立てるノイズや電子音が交錯するサントラは、映画音楽の枠を超えた傑作アルバムとして独立した評価を得た。「グライド」や「共鳴(空虚な石)」に見られるSalyuの神聖かつ狂気を孕んだ歌唱力は、実在しないはずの歌姫リリイ・シュシュに圧倒的な実在感を与えた。
劇中で描かれるポップスターの崇拝構造は、現代のSNS時代における推し活やネットコミュニティの熱狂と恐怖を恐ろしいほど正確に予見していたと言える。