『九十歳。何がめでたい』の真価!映画と原作エッセイの魅力を徹底解剖
原作『九十歳。何がめでたい』は、2016年5月から『女性セブン』で連載されたエッセイを単行本化した作品です。当時92歳を迎えていた作家・佐藤愛子氏が、自身の断筆宣言を撤回し、「ヤケクソ」で書き綴った連載は瞬く間に読者の間で大きな話題となりました。
現代のメディアや社会が押し付けがちな「元気で前向きなシニア像」や「健康長寿礼賛」に対し、「体が痛い」「何をするのも面倒くさい」「ちっともめでたくない」と真っ向から毒づく姿は、多くの高齢者のみならず、日々のしがらみに疲弊した現役世代にも強烈なカタルシスを与えました。累計部数は175万部を超え、昭和・平成・令和を駆け抜けた文豪の言葉として、確固たる地位を築いています。
映画化の企画が持ち上がった際、原作者の佐藤氏自身が「私の役をやれるのはこの人しかいない」と信頼を寄せたのが、女優の草笛光子氏でした。草笛氏にとってもクランクイン時点で実年齢90歳という記念すべきタイミングであり、日本映画界にとっても極めて稀有な挑戦として製作がスタートしました。