硝子に宿る静謐な光と影。硝子作家・津田清和の造形美学と技法の核心
茶道具のような厳格な美術品と並び、津田は日常の食卓で使われる鉢やグラス、酒器の制作にも情熱を注ぐ。彼が目指すのは、飾るためのアートピースであると同時に、実際に使われて真価を発揮する「用の美」だ。
料理を盛ったとき、酒を注いだとき、器は静かに主役を引き立てる。分厚い底を持つグラスは、手のひらに心地よい重量感を伝える。冷えた酒を満たせば、ガラスの肉厚な壁面が温度を保ち、表面に微細な結露を纏う。
直線と曲線の微妙な交差、口当たりの良さ、持ちやすさ。細部に至るまで計算された設計が、日々の生活動作を特別な体験へと昇華させる。