悪役俳優の素顔と現在|実はいい人の真相から昭和・注目の若手まで徹底解説
日本の映像史において、悪役が主役を喰うほどの熱量を放っていたのが昭和の映画黄金期です。とりわけ東映京都撮影所を中心に結成された「ピラニア軍団」や、八名信夫氏が立ち上げた「悪役商会」の存在は、悪役俳優の歴史を語る上で欠かせません。
1970年代に室田日出男氏や川谷拓三氏、志賀勝氏らを中心に自然発生したピラニア軍団は、「主役を食うピラニアになろう」という野心のもと、泥臭くリアルな斬られ役・殺され役を演じ続けました。彼らは単なるやられ役に甘んじることなく、過酷な現場で体当たりのリアリズムを追求し、後に映画界の主役・名脇役へと羽ばたいていきました。
一方、元プロ野球選手という異色の経歴を持つ八名信夫氏が結成した悪役商会は、「悪役こそドラマのスパイス」をモットーに、テレビ時代劇や刑事ドラマで確固たる地位を築きました。八名氏自身、悪役を演じる傍らで慈善活動や被災地支援を長年ライフワークとして継続しており、「悪役を演じる者は、私生活で誰よりも襟を正さなければならない」というプロフェッショナリズムを後進に伝え続けています。
また、時代劇の黄金期を支えた菅貫太郎氏、川合伸旺氏、遠藤太津朗氏、成田三樹夫氏といった「悪代官」「越後屋」「冷徹な刺客」の定番を確立した名優たちの多くは、惜しまれつつ鬼籍に入られました。しかし、彼らが磨き上げた「目線の配り方」「不敵な笑みのタメ」「扇子の鳴らし方」といった伝統的な型は、現代の時代劇やサスペンス劇における悪役の美学として今なお脈々と受け継がれています。