隻眼とは何か?歴史上の独眼竜から現代アニメの王まで徹底解剖
日本語における「隻眼」は、文字通り「一対のうちの一方の目」を意味する。「隻」という漢字は鳥を手に1羽だけ持っている形に由来し、対をなすもののうち片方を表す。この言葉が日本人の美意識や歴史観に深く刻み込まれた最大の転換点は、戦国時代を駆け抜けた武将、伊達政宗の存在だろう。
幼少期の病によって右目を失明した政宗は、のちに「独眼竜」の異名で恐れられ、同時にその卓越した政治的・軍事的才覚で奥州を席巻した。自らのコンプレックスになりかねなかった身体的特徴を、重厚な黒漆塗の眼帯と甲冑で魅せるセルフプロデュースへと変えた政宗の生き様。それは日本の歴史劇における「隻眼=孤高にして圧倒的なカリスマ」というパブリックイメージの強固な基盤となった。