武雄市図書館が放つ革新、スタバ併設と新時代の空間デザイン全貌
この前代未聞のプロジェクトは、いかにして誕生したのか。発端は、当時の佐賀県武雄市市長であった樋渡啓祐氏の大胆な構想にある。行政主導の硬直したハコモノ行政に危機感を抱いていた同氏は、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)を率いる増田宗昭氏へ直談判を敢行。公の領域に民間のマーケティングとデザイン思考を持ち込むという、前代未聞のタッグが結実した。
その根幹を支えた仕組みが「指定管理者制度」である。行政が施設を直営するのではなく、運営ノウハウを持つ民間企業に委託することで、開館時間の延長(365日・朝9時から夜9時まで)や、図書の貸出と同時に最新雑誌・文具の購入ができるシームレスな仕組みが実現した。行政のスピード感を遥かに超える決断と実行力が、人口5万人足らずの地方都市を一躍全国の注目の的へと押し上げた。