名古屋西区主婦殺害の真相と新展開 最新Dna鑑定が暴く犯人の影
「部屋を出てしまえば、奈美子の生きた証拠が消えてしまう気がした」。夫の高羽悟さんは、事件から27年間、現場となった賃貸アパートの一室を借り続け、毎月の家賃を支払い続けている。事件当時のまま時間が凍りついたその部屋には、妻が揃えた食器や調味料、あの日着ていた衣服がそのまま残されている。床に染み付いた血痕の跡を見るたび、胸を締め付けられるような激痛が走るという。それでも悟さんは、この場所を守り抜くことを自らの使命と定めた。
父親の手ひとつで育て上げられた長男は、すでに立派な大人へと成長した。だが、家族の時計の針はあの秋の日のまま止まっている。悟さんは街頭での情報提供呼びかけを続け、集まった手がかりを丹念に警察へと届けてきた。「犯人には自首してほしい。なぜ妻が殺されなければならなかったのか、その口から真実を聞くまでは死ぬに死ねない」。絞り出すように語られる遺族の独自証言は、単なる時間の経過がいかに遺族の苦痛を和らげないかを雄弁に物語っている。