大人になっても手放せない?ブランケット症候群の心理と対策法
心理学の世界において、この現象は古くから解明が試みられてきた。英国の小児科医であり精神分析家でもあったドナルド・ウィニコットは、児童心理学の基礎となる概念として「移行対象」を提唱した。赤ちゃんが母親という一歩的な依存対象から離れ、外部の世界へと自立していくプロセスで重宝されるのが、まさにこの布やぬいぐるみである。
ウィニコットの理論によれば、移行対象は母親の温もりと自分自身の内面の中間に位置する「第3の領域」を形成する。子どもはこれに触れることで不安を和らげ、外の世界を探求する勇気を得る。成人後もこの感覚が残存している場合、それは単なる精神的未成熟ではなく、極度の緊張下において潜在意識が「自己安心感」を再生しようとする高度な心理的防衛メカニズムとして機能している。