重松清『カレーライス』徹底解剖!父子の葛藤と甘口・中辛に秘めた真実
著者の重松清は、1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部を卒業後、出版社勤務を経て1991年に『ビフォア・ラン』で作家デビューを果たしました。以後、現代の家族、いじめ、思春期の孤独を誰よりも鋭く、かつ温かい筆致で描き続けています。
1999年に『ナイフ』で坪田譲治文学賞、同年『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。2001年には短編集『ビタミンF』で第124回直木賞を受賞し、その後も『十字架』(吉川英治文学賞)、『ゼツメツ少年』(毎日出版文化賞)など、数々の文学賞に輝いてきました。
『カレーライス』に心を揺さぶられた読者にぜひ手に取っていただきたいのが、直木賞受賞作の『ビタミンF』です。同書に収録されている短編群は、まさに『カレーライス』の父親視点をより濃密かつ痛切に描いた作品集であり、30代から50代の父親たちが抱える哀愁と家族への不器用な愛が描かれています。また、中学生の複雑な心理を鮮烈に切り取った『エイジ』や、友情の本質を問う『きみの友だち』へと読み進めることで、重松清が紡ぎ出す人間賛歌の深淵に触れることができます。