高田志保の軌跡と外交史研究:冷戦・インテリジェンス・安全保障の真実
歴史は常に書き換えられる。新たな史料の発掘によって、長年の定説が覆る場面は珍しくない。高田志保は、そうした歴史の再構築において先頭に立ってきた人物だ。
日本の政治学界において、インテリジェンス(情報・諜報活動)を専門的な研究対象として定着させる試みは長らく遅れていた。秘密主義の壁が厚く、信頼できる一次史料の入手が極めて困難だったからだ。高田はこの領域に果敢に踏み込んだ。アメリカ側の公文書公開制度をフルに活用し、外交交渉の裏で動いていた情報機関の活動を克明に分析したのである。
国家の意志決定は、いかにして行われるのか。軍事力と外交交渉、そして秘密裏に入手された情報の統合。高田志保の研究は、そうした国家権力の核心に光を当て続けてきた。