古刹の祈りが重低音で爆ぜる!般若心経ロック旋風の意外な真実
このムーブメントの源流を遡ると、2000年代後半のニコニコ動画におけるクリエイターたちの実験的な試みに突き当たる。ボカロPやギタリストたちが投稿した「お経にコード進行をつけて演奏してみた」動画が次々とミリオン再生を記録し、サブカルチャーの中で般若心経ロックという独自ジャンルが産声を上げた。
さらにこの熱波は、寺院の境内という「現場」にも波及していく。臨済宗妙心寺派の僧侶でありながら、音楽家としても世界的に活動する薬師寺寛邦氏をはじめとする本格派の僧侶アーティストたちが登場。本物のお経の響きと現代的なアレンジを組み合わせた楽曲を制作し、法要とライヴを融合させたスタイルを確立した。ネット発の面白半分な試みから始まった波は、僧侶たちをも巻き込み、多様な仏教ソングが花開く一大カルチャーへと結実したのだ。