発達障害は遺伝するのか?親からの確率と最新研究が明かす真実
発達障害における遺伝の真相を探る上で、まず押さえておきたいのは、発達障害が「特定の単一遺伝子によって引き起こされる病気ではない」という基本事実です。
注意欠如・多動症(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)、限局性学習症(SLD)などは、脳機能の発達に関わる生まれつきの特性です。近年のゲノムワイド関連解析(GWAS)の大規模データによると、発達障害の発症には数百から数千に及ぶ微小な遺伝的変異(ポリジーン / 多因子)が関与していることが判明しています。
つまり、親が特定の変異を持っていたとしても、それがそのまま子どもに伝わるだけで発症が決まるわけではありません。無数の遺伝的素因の組み合わせと、胎児期や周産期の生体環境が複雑に相互作用した結果として、特性の強弱や現れ方が形成されます。