文旦×グレープフルーツ交配の衝撃!スウィーティー誕生の深層
交配の歴史を紐解く上で、起点となるのがアメリカ西海岸での試みだ。1950年代後半、カリフォルニア大学リバーサイド校柑橘育種プロジェクトにおいて、果樹の可能性を極限まで引き出す研究がスタートした。中心となった研究者のジェームズ・キャメロン(James W. Cameron)とロバート・ソーシャル(Robert Soost)は、酸味の強いグレープフルーツに、アジア原産の文旦(ポメロ)が持つ芳醇な甘みを融合させる挑戦に乗り出した。
無数の試行錯誤と気の遠くなるような選抜作業の末、1980年に発表されたのがスウィーティー(オロブランコ)である。糖度が高く酸味が極端に少ないこの品種は、イスラエル産が「スウィーティー」、アメリカ産が「オロブランコ」として世界中に輸出され、柑橘界に激震を走らせた。続いて1986年には、より大玉で果汁が滴るメロゴールドが世に送り出され、ハイブリッド柑橘の黄金時代が幕を開けた。