消化器外科の最高峰「膵頭十二指腸切除術」生存率と名医選びの現実
かつて「膵臓癌に対する手術は予後が厳しい」と語られることが多かった。しかし、医学論文データベース「PubMed」や日本膵臓学会の最新症例集積調査などを紐解くと、ここ数年で生存率は着実に好転している。
切除可能な膵臓癌における5年生存率は、従来15〜20%程度とされていた。だが最新の臨床データでは、有効な抗がん剤を用いた術前・術後化学療法を組み合わせることで、5年生存率は30%を超え、一部の早期症例や集学的治療成功例ではさらに高い数値が報告されるようになっている。
ただし、術後の現実は決して甘くはない。膵臓の容量が減ることでインスリン分泌が低下し、新たな糖尿病(膵性糖尿病)を発症するリスクがある。また、消化酵素の減少による消化不良や栄養吸収障害、下痢、体重減少に悩まされる患者も少なくない。単に腫瘍を取り除くだけではなく、術後の身体変化にどう適応していくかが、その後の長期生存と生活の質(QOL)を大きく左右する。