現代ポップアートの巨匠・江口寿史が魅せる美少女イラストの真髄
なぜ彼の描く女性は、時代を超えてこれほどまでに輝き続けるのか。その答えは、極限まで無駄を削ぎ落とした「線の緻密さ」と、描かれない余白に潜むストーリー性にある。イラストにおける色彩感覚は、まさにアンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタインらに代表されるポップアートの文脈を日本独自の感性で昇華させたものだ。
さらに、80年代から現代に至るシティポップのレコードジャケットやCDカバーで彼が手掛けたビジュアルは、音楽の持つ都会的な切なさや爽快感を完璧に視覚化している。風にたなびく髪のなびき方、Tシャツのシワ一つにまで宿る時代のエアポケット。一見するとシンプルに見えるグラフィックの裏には、膨大な人間観察とデッサン力に裏打ちされた緻密な構造計算が隠されているのだ。