アメリケーヌソースとは?仏料理なのにアメリカ風と呼ばれる意外な由来
本格的なフランス料理店ではオマール海老を使用しますが、家庭でも有頭ブラックタイガーや赤エビを使えば、驚くほど高水準なアメリケーヌソースの作り方を実践できます。エビの身を食べた後に残る頭と殻は、決して生ゴミではなく極上の調味料です。
失敗しない基本の調理プロセス(調理時間:約40分)
材料の目安は、有頭エビの頭と殻約8〜10尾分に対し、玉ねぎ1/4個、にんじん1/4本、セロリ1/3本、にんにく1片、トマトペースト大さじ1(またはカットトマト缶100g)、白ワイン50ml、ブランデー(またはコニャック)大さじ1、水200ml、ローリエ1枚、オリーブオイル大さじ1、無塩バター15gです。
第一の関門は「殻の徹底的なロースト」です。厚手の鍋にオリーブオイルを強火で熱し、水気を拭き取ったエビの殻と頭を投入します。木べらやマッシャーで頭部を押し潰し、内臓(ミソ)を出しながら、殻全体が鮮やかな赤色から濃いキツネ色に変わり、香ばしい匂いが立ち込めるまでじっくり炒め上げます。この段階で水分を完全に飛ばすことが、生臭さを消し去る最大の秘訣です。
次にブランデーを回し入れてフランベし、アルコール分を一気に飛ばして香りを閉じ込めます。弱火に落としてみじん切りにした香味野菜(ミルポワ)を加え、野菜がしんなりして甘味が出るまで炒め合わせたら、トマトペーストを投入して酸味を飛ばすように軽く炒めます。白ワインと水、ローリエを加え、アクを丁寧に取り除きながら弱火で約20分煮出します。
煮込み終えたら、目の細かいザルやシノワで力強く濾していきます。殻の内部に残った水分とミソをヘラで押し潰すように絞り出す作業が、エビの殻 出汁の真価を引き出します。濾した液体を小鍋に戻して弱火で半量程度まで煮詰め、火を止める直前に冷えた無塩バターを溶かし込む「モンテ・オ・ブール」を行うことで、ベルベットのような艶と奥深いコクが完成します。
忙しい日のための賢い「アメリケーヌソース 代用」術
「有頭エビを殻から剥いて煮詰める時間がない」という場合でも、日常の調味料を組み合わせることでアメリケーヌソースのニュアンスを巧みに再現できます。最も手軽で効果的なアメリケーヌソース 代用の手法は以下の組み合わせです。
フライパンに多めのオリーブオイルと刻みにんにく、そして中華・和食用の「干し桜えび(または乾燥アミエビ)」を大さじ2杯入れ、弱火でじっくり炒めます。油にエビの香気と赤い色素が移ったら、市販のトマトペースト大さじ1と白ワイン少々、コンソメ顆粒ひとつまみを加え、仕上げに生クリーム50mlとバターを溶かし込みます。乾燥甲殻類の凝縮された旨味がオイルと生クリームに移行し、わずか5分でアメリケーヌ風の贅沢なコクが生み出せます。