「了解いたしました」は失礼?目上・上司への正しい敬語とメール例文
ネット上のQ&AサイトやSNSでは、「了解いたしましたは二重敬語だから間違い」「本来は日本語として破綻している」といった極端な言説が散見されますが、これは言語学的な観点から見ると明確な誤認です。
文化庁が取りまとめた「敬語の指針」において、二重敬語とは「ひとつの語について、同じ種類の敬語を重ねて使うこと(例:おっしゃられる、ご覧になられる)」を指します。「了解いたしました」の場合、「いたす」は謙譲語(丁重語)、「ました」は丁寧語であり、異なる種類の敬語を組み合わせた通常の敬語連結です。したがって、文法的に間違っているわけではありません。
この表現が「失礼」と言われ始めた背景には、2000年代後半以降のマナー解説本や就活指導において、「わかりやすいNG例」として過剰に強調された経緯があります。いわゆるローカルマナーとして定着した側面が強いものの、すでにビジネス社会において「了解=目上に使わない言葉」という共通認識が形成されてしまった以上、歴史的正当性を主張するよりも、相手の心理的受容性を優先するのがプロフェッショナルとしての賢明な振る舞いです。