パンケーキとホットケーキの違いとは?配合と歴史から見抜く真実
家庭のおやつとして長年君臨していたホットケーキのイメージを大きく塗り替えたのが、2010年前後から巻き起こった「第1次〜第2次パンケーキブーム」です。
火付け役となったのは、ハワイから上陸した「Eggs 'n Things」や、シドニー発祥の「bills」などの海外カジュアルダイニングでした。山盛りのホイップクリームと色鮮やかなベリーがトッピングされた皿や、リコッタチーズを練り込んだ極上の「リコッタパンケーキ」は、従来の「黄色くて丸い家庭のおやつ」という固定観念を根底から覆しました。カフェ文化の進展とともに、パンケーキは「大人が行列を作って楽しむ特別な外食体験」へと急速に再定義されたのです。
さらに2010年代後半から定着し、現在も高い人気を誇るのが、日本独自の進化系である「スフレパンケーキ」です。厚さ数センチにおよぶ圧倒的なボリュームでありながら、フォークを入れると気泡がシュワッと音を立てて消えるような儚い口溶け。この技術革新は、卵白を緻密に泡立てたメレンゲを生地に抱き込ませ、極弱火で時間をかけて蒸し焼きにするという、日本のパティシエたちの職人的技法によって生み出されました。
ネット上の口コミやSNSの投稿を分析すると、かつては「ビジュアルの華やかさ」に歓声が集まっていたのに対し、成熟期を迎えた現在では「食感の心地よさ」や「甘さの引き算」が高く評価される傾向が強まっています。幼少期に親しんだホットケーキの素朴な安心感を愛好する層と、専門店でしか味わえないスフレ食感を求める層が、対立することなく見事に棲み分けを完了したと言えます。