センザンコウとは?世界一密輸される理由とアルマジロとの違い

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国際自然保護連合(IUCN)の報告書や国際環境NGO「TRAFFIC」の摘発データによると、過去十数年間で100万頭以上ものセンザンコウが違法に捕獲・取引されたと試算されています。ゾウやサイを遥かに凌ぐこの異常な規模から、国際社会はセンザンコウを「世界一密輸されている野生哺乳類」と位置づけました。

その結果、生息数は壊滅的な打撃を受けました。現在、IUCNのレッドリストにおいて、アジアにすむミミセンザンコウやマレーセンザンコウは深刻な危機(CR:近絶滅種)に指定されています。かつてアジアで乱獲し尽くした国際密輸シンジケートは、2010年代半ばからアフリカへと触手を伸ばし、オオセンザンコウやオナガセンザンコウまでもが絶滅危惧種(EN/VU)へと一気に追いやられました。

事態を重く見た絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約/CITES)締約国会議は、2016年にセンザンコウ全8種を「附属書I」に掲載することを決定しました。これにより、学術研究目的などのごく例外を除き、商業目的での国際取引は世界全体で全面禁止となったのです。

それにもかかわらず、なぜ違法取引は根絶されないのでしょうか。その背景には、国境を越えた国際犯罪組織の介在と、闇市場における法外な取引価格があります。かつてマレーシアやナイジェリアの港湾局が摘発したコンテナからは、一度に数トンから10トン以上、頭数にして数千〜1万頭分に相当するウロコが押収される事件が後を絶ちません。1kgあたり数万円から十数万円、末端価格では純金にも匹敵する額で取引されるため、貧困地域での密猟と結託した巨大な地下経済が構築されてしまっているのです。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。