あいつワシより強くね元ネタ徹底解剖!ネテロの真意とピトー強さ比較
では、なぜあれほどの実力者であるネテロが、モラウやノヴの前で「ありゃワシより強くねー?」と殊勝な言葉を吐いたのでしょうか。そこには、百戦錬磨の武道家としてのリアリズムと、長年トップに君臨してきた男の老獪な心理的アプローチが隠されています。
第一に、「オーラ量=戦闘力」という念能力の基礎に対する率直な驚愕です。同乗していたモラウが「冗談キツいッスよ…」「老いてなお謙虚ってのは美徳かもしれねェが…」と苦笑いした際、ネテロは「本気(マジ)じゃよ」「ひいき目に見積もっても向こうの方が上かのう」と返答しています。半世紀以上前に全盛期を過ぎ、自らの衰えを誰よりも冷徹に自覚していたネテロにとって、蟻の王直属護衛軍が放つ異常なエネルギー総量は、純粋な生物としての格差を思い知らされるに十分なものでした。
第二に、部下であるモラウやノヴに対する精神的引き締めという側面です。未知のキメラ=アントに対し、ハンター側が油断や慢心を持てば一瞬で命を落とします。「人類最強の自分が警戒するほどの脅威である」とあえて口にすることで、現場の緊張感を極限まで高めるリーダーとしての戦術的意図が読み取れます。
第三に、武道家としての「挑戦者(チャレンジャー)精神の復活」です。ネテロは感謝の正拳突きを経て最強の座に到達して以来、己を脅かす好敵手との出会いに飢え続けていました。自分を超えるかもしれない圧倒的な怪物の出現は、ネテロにとって恐怖であると同時に、心の奥底で歓喜を呼び覚ます契機でもありました。あえて相手を高く評価する発言は、強敵に挑む前のネテロ特有の精神的高揚の裏返しだったといえます。