新国立競技場のキャパ徹底解剖!ライブ収容人数と座席選びの罠
スタジアムの空間体験を決定づけているのが、建築家・隈研吾氏らのチームが手がけた独自のスタジアム建築だ。「杜のスタジアム」をコンセプトに据え、47都道府県から調達した国産木材をルーバーに配した外観は圧巻の存在感を誇る。軒庇(のきびさし)が生み出す自然の通風システム「風のテラス」は、空調設備に頼り切らない省エネ構造として世界的な注目を集めた。
内部に足を踏み入れてまず目を奪われるのが、アースカラー5色(白・黄緑・グレー・深緑・濃茶)をモザイク状に散りばめた座席配置だ。上層に向かうほど明るい色が配置され、木漏れ日が降り注ぐ森の風景を模している。無観客や空席が目立ちにくい視覚効果をもたらす秀逸な意匠だが、観客側からすると「スタンドの傾斜や広がり」の距離感を狂わせる錯覚の要因にもなり得る。
陸上トラックを抱える兼用スタジアムゆえに、専用スタジアムと比較するとピッチまでの物理的距離はどうしても生じる。その距離感を意匠の美しさで包み込みつつ、いかに臨場感を損なわない設計に挑んだのか。スタンドの勾配計算とシートデザインには、緻密な計算と苦心の跡が刻まれている。