夏帆の「かわいい」はなぜ進化し続けるのか?業界を魅了する正体
近年の夏帆を語るうえで外せないのが、社会現象となった『silent』と、軽妙な会話劇で視聴者を虜にした『ブラッシュアップライフ』での名演だ。『silent』で見せた桃野奈々役の切なくも凛とした表情、手話越しに感情を爆発させる姿は、観る者の胸を強く締め付けた。派手なセリフに頼らず、指先の動きや視線の揺らぎだけでキャラクターの人生を語り尽くす。そこにあったのは、無駄な装飾を削ぎ落とした純度の高い美しさだった。
一方で『ブラッシュアップライフ』の「なっち」役では一転、地元・北熊谷の空気感をそのまま背負ったかのような脱力した笑顔を披露した。ファミレスで延々と繰り広げられる他愛のないおしゃべり、シール帳を囲んで笑い合う飾らない表情。ボブヘアやラフなカジュアルスタイルがこれほど似合い、かつ親近感を抱かせる女優が他にいるだろうか。最新のビジュアル変化を見ても、無理な若作りや過剰な演出とは無縁の、年輪を重ねた大人のしなやかさが光っている。