なぜ出回らない?備蓄米の放出基準と家庭で買える購入ルートの真相
日本の政府備蓄米制度は、1993年の大不作に伴う混乱を教訓として本格的に整備された。現在、日本政府は年間消費量の約1割に相当する100万トン程度を標準備蓄量として設定し、全国の保管倉庫で厳重に管理している。この膨大なコメの買い入れや順次払い下げの実務を指揮しているのが農林水产省だ。
制度の核となるのは「棚上げ方式」と呼ばれる5年周期の運用体制である。毎年約20万トンを産地から買い入れ、5年間備蓄した後に順次売却していく。古くなった米は、民間市場の需給を乱さないよう主食用ではなく、主に飼料用や学校給食、あるいは海外への食糧支援へと回される。日本の農業生産基盤を維持しつつ、突発的な危機に対応する二重の安全網として機能しているのだ。