なぜ灘の日本酒が愛され続ける理由とは?「男酒」の魅力と有名銘柄を解剖
灘五郷(西郷・御影郷・魚崎郷・西宮郷・今津郷)には、日本を代表するトップメーカーから徹底して職人技を守る老舗までがひしめき合っています。中でも押さえておきたい3大名門の個性を比較します。
業界最大手として知られる白鶴酒造は、伝統技術の継承と最先端のバイオ技術の両輪で業界を牽引しています。独自開発の酒米「白鶴錦」を使った純米大吟醸は国内外のコンペティションで金賞を総なめにしており、端麗でありながら奥行きのある上質な味わいが特徴です。
一方、辛口の美学を愚直に貫くのが菊正宗酒造です。現在も手間と時間を要する「生酛造り」を主力銘柄で貫き、酵母が自然の乳酸菌とともに鍛え上げられた力強い酸と深いコクを生み出しています。「料理を引き立てる本物の辛口」を求めるファンから絶大な支持を集めています。
そして、500年以上の歴史を誇る剣菱酒造は、灘の伝統と個性を象徴する存在です。精米歩合の数値をあえて公開せず、職人の舌と経験によって黄金色に輝く濃厚な原酒をブレンドして出荷します。米本来の豊かな旨味と芳醇な香りは唯一無二で、熱燗につけたときの膨らみは圧巻の一言です。
また、灘の酒を選ぶ際に知っておきたいのが「灘の生一本(きいっぽん)」という地域団体商標です。これは灘五郷の単一の蔵元で仕込まれ、瓶詰めまで行われた純米酒だけに与えられる品質保証の証であり、蔵ごとの純米造りのプライドが凝縮されています。