日本酒に合うおつまみ完全攻略|4タイプ別の極上ペアリング術
日本酒と料理の相性を語る上で外せないのが、味覚センサーによる分析や有機酸の働きです。ワインが主に「リンゴ酸」や「酒石酸」を含むのに対し、日本酒はグルタミン酸(アミノ酸)やコハク酸、乳酸を圧倒的に多く含んでいます。この化学的組成こそが、和食の枠を超えたペアリングを成立させる鍵です。
なかでも、フルーティーな日本酒に合うチーズの組み合わせは、近年のペアリング理論における代表例といえます。大吟醸や吟醸酒に代表される華やかな香気成分(カプロン酸エチルなど)は、フレッシュタイプのモッツァレラやマスカルポーネ、白カビタイプのカマンベールが持つ乳脂肪分のまろやかさと美しく同調します。チーズに含まれる遊離脂肪酸が酒のアルコール感を包み込み、フルーツを思わせる吟醸香をより一層引き立てるのです。
また、日本酒おつまみ肉レシピとして注目される豚の角煮やローストビーフ、スパイス焼きなども、理にかなった選択肢です。肉の旨味成分である「イノシン酸」と日本酒の「グルタミン酸」が口内で混ざり合うと、単体で味わうときの約7倍から8倍に旨味の感度が跳ね上がるというデータが味覚生理学でも立証されています。
特に、キレの良い辛口日本酒に合う料理としては、脂の乗った牛ステーキにわさび醤油を添えたものや、スパイスを効かせた砂肝のソテーなどが抜群の相性を誇ります。アルコール度数と酸が肉の脂っぽさをきれいに洗い流す「ウォッシュ効果」を果たし、次の一口を誘います。まさに「魚介一辺倒」だった従来の常識を覆す、日本酒ペアリングの基本法則がここにあります。