阪堺電車はなぜ生き残れたか?最古のモ161形と運賃・乗り方の真相
阪堺電気軌道は、一見ひとつのネットワークに見えるが、歴史的成り立ちが異なる「阪堺線」と「上町線(うえまちせん)」の2系統から構成されている。この2本の違いを理解することが、移動のタイムロスを防ぐ鍵となる。
天王寺駅前から発着する「上町線」は、関西屈指のターミナルである阿倍野・天王寺エリアと直結しており、終日にわたって高頻度なダイヤが組まれている。日中時間帯でも約6〜8分間隔で電車が発着し、ビジネス客から通学の学生、日常の買い物客で常に車内は賑わいを見せる。上町線の電車の多くは、住吉電停で阪堺線へ直通し、車庫のある「我孫子道(あびこみち)」や堺市街中心部を経て「浜寺駅前」まで直通運転を行っている。
一方、通天閣のお膝元である新世界の「恵美須町」から伸びる「阪堺線」は、かつての本線でありながら、現在は下町情緒を色濃く残す落ち着いたローカル区間の様相を呈している。恵美須町〜我孫子道間の運行本数は日中20〜24分間隔程度まで間引きされており、天王寺駅前発の系統と比較すると待ち時間が長くなりやすい。
初詣の参拝客数が全国有数を誇る「住吉大社」へのアクセスにおいては、最寄りの「住吉鳥居前」電停が神社の正門(大鳥居)の真向かいに位置している。天王寺駅前方面からの浜寺駅前行き、あるいは我孫子道行きの電車に乗車すれば、乗り換えなしで鳥居の目の前に直接降り立つことが可能だ。南海電鉄の住吉大社駅を利用するよりも歩行距離が短く、石段や坂道も少ないため、高齢者や足元に不安のある旅行者には阪堺電車ルートが格段に重宝されている。