南極観測船ふじの現在と名古屋港見学の全貌|歴史と船内の真実

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「ふじ」の航跡は決して平坦なものばかりではありませんでした。その南極観測船ふじ 歴史 経緯の中で最大の危機として刻まれているのが、1970年(昭和45年)2月、第11次観測隊の輸送任務中に発生した南極観測船ふじ プロペラ 破損事故です。

昭和基地沖の厚さ数メートルにおよぶ密密集氷域において、厚氷を破砕しながら前進を試みていた際、巨大な氷塊が右舷プロペラに激突。耐氷設計が施されていた特殊合金製のプロペラ翼4枚のうち1枚が根元からへし折れ、残る翼も変形するという絶体絶命の事態に陥りました。推進力の半分を失った船体は氷圧に締め付けられ、完全な航行不能(スタック状態)となったのです。

当時の報道や関係者の記録によると、現場の気温は氷点下20度を下回り、氷の圧力で船体が軋む不気味な音が艦内に響き渡る極限状態でした。当時要請を受けた米国の強力な砕氷艦「エディスト」や「サウスウィンド」による救援支援を受けつつも、最終的には自力で氷海を脱出。この事故の教訓は、その後のプロペラ強度計算や軸系の構造見直し、そして後継艦「しらせ」の設計に計り知れない技術的資産をもたらしました。

1965年の就役から1983年の最終航海まで、18回に及ぶ南極往復航海を完遂した「ふじ」は、総航程約77万キロメートル(地球約19周分)を記録。砕氷艦ふじ 海上自衛隊 退役の日は1984年4月11日に訪れました。その後、解体を惜しむ全国の声と名古屋市の熱心な誘致活動が実を結び、1985年より名古屋港ガーデンふ頭での永久係留・一般公開が始まったのです。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。