なぜ無料?早稲田大学演劇博物館の秘密と2026年最新見どころ完全解説
日本国内の美術館や企画展において、1,500円〜2,000円前後の観覧料が一般的となる中、早稲田大学演劇博物館の入場料は原則として無料が貫かれています。国宝級の錦絵や貴重な初版本、歴史的な名優たちの舞台衣装が並ぶ展示が、なぜ無償で一般開放されているのでしょうか。そこには、創設者である坪内逍遙が掲げた「演劇は万人のための生きた学問である」という揺るぎない理念が存在します。
1928年(昭和3年)10月、逍遙の古希(70歳)と、彼が半生を捧げた『シェイクスピア全集』全40巻の完訳という偉業を記念し、各界の篤志家や演劇関係者からの寄付によって設立された経緯があります。大学の私的所有物ではなく「広く社会に開かれた演劇研究と普及の場」としてスタートしたため、運営費は大学の教育研究基盤および基金・寄付によって支えられてきました。
収蔵点数は100万点以上に及び、浮世絵・錦絵だけでも約4万8,000点、舞台写真約40万点、演劇関連図書・戯曲約30万冊を誇ります。これら人類の演劇的遺産を独占せず、次世代の創作者や一般の演劇ファンへ無償で還元し続ける姿勢こそが、エンパクが国内外から高い敬意を集める最大の理由です。