ベストセラー連発の舞台裏!「このミス」大賞が変えるヒット法則

ベストセラー連発の舞台裏!「このミス」大賞が変えるヒット法則にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

仕掛け人である宝島社が本賞を創設して以来、日本の出版業界と映画業界の距離感は劇的に変化した。従来の文学賞が持つ「玄人好みの作品を掘り起こす」という謙虚なスタンスとは一線を画し、最初から大衆の支持と映像化を冷徹に見据えた選考基準が徹底されているからだ。

その分岐点となったのが、海堂尊の『チーム・バチスタの栄光』である。現役医師が描いた迫真の緊迫感と緻密なプロットは、発売と同時に読者を圧倒し、爆発的なミリオンセラーを記録。直後に制作された映画やTVドラマも大ブームを巻き起こし、受賞作がそのまま時代のメガヒットIP(知的財産)となる方程式を確立した。

その後も、新川帆立の『元彼の遺言状』のように、強烈なキャラクター造形とテンポの良い語り口で時代の空気を捉えた作品が次々と誕生。単に「本が売れる」にとどまらず、映像制作陣がこぞって原作権を買いに走る現象が定着したのである。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。