佐川恭一が暴く欲望と泥臭さ!純文学とネットを揺るがす異端の軌跡
KADOKAWAや講談社といった大手出版社が、こうしたウェブ出自の強烈な個性をどう迎え入れ、どう世に問うていくのか。これは現在の日本出版業界全体に課された大きな問いでもある。均質化されたエンターテインメント小説が溢れるなかで、規格外の荒削りな才能をどうパッケージするのかが試されている。
売れ筋の型に嵌め込もうとすれば、その毒気は失われてしまう。しかし、商業流通に乗ることで、より広範な読者層にその衝撃を届けられるのも事実だ。インディーズの自由度とメジャーの拡散力。その際どい境界線の上で繰り広げられる綱渡りそのものが、ひとつのスリリングなドラマとして機能している。