イラストも建築も一変するパース技法!プロが明かす立体表現の極意
空間の歪みを防ぎ、狙い通りの世界観を立ち上げるための基本が透視図法だ。消失点の数と配置によって描き分けられる作画プロセスは、表現したい構図の目的によって大きく3つに分類される。
まず「1点透視図法」は、正面から対象を見据える最もシンプルな技法だ。部屋の奥行きやどこまでも続くまっすぐな廊下など、集中的な視線誘導を生み出したい場面で圧倒的な効果を発揮する。続く「2点透視図法」は、建物の角を外側から眺めるような構図に適しており、日常的な風景や街並みの描写で最も頻繁に用いられる。そして「3点透視図法」は、見上げるような高層ビル(アオリ)や見下ろすような広大な俯瞰(フカン)など、縦方向のパースがついたダイナミックで圧倒的なスケール感を演出する際に不可欠だ。
これらの基礎を支えているのが「アイレベル」、すなわちカメラ(観客の目)の高さである。アイレベルの位置が地平線や水平線と重なり、画面全体の基準点となる。アイレベルを高く設定すれば広範囲を見下ろすような解放感が生まれ、低く設定すれば迫力ある見上げのカットが完成する。この視点の高さをいかにコントロールするかが、画面全体の説得力を左右する最初の大事なステップだ。