スモーキーな香りに世界が熱狂!京都「いり番茶」の知られざる秘密
なぜこれほどまでに薪のような芳ばしい香味が生まれるのか。答えは、茶葉を揉まずにそのまま大鍋で炒るという泥臭くも合理的な製法にある。
使われるのは春の柔らかい新芽ではなく、秋から冬にかけてたくましく育った秋番茶や冬番茶の枝葉だ。厚く育った葉と枝は水分を内側に抱え込んでおり、揉まずに乾燥させることで旨味を閉じ込める。それを鉄板の上で焦げる手前まで高温加熱することで、葉の表面が一気に燻され、力強いスモーキーな香気が生まれるのだ。熱気と煙が立ち込める現場で「焦がすのではなく、香りを引き出す塩梅がすべて」と職人は語る。長年の勘と身体感覚だけが頼りの技が、唯一無二の深い味わいを支えている。