緊迫する南北境界線!38度線との違いや完全遮断が進む現場の今
軍事境界線そのものは、幅わずか数センチのコンクリート杭や標識が並ぶ線に過ぎません。しかし、この線を挟んで南北それぞれ2キロメートル、東西約248キロメートル・計約992平方キロメートルに広がる緩衝地帯が「非武装地帯(Demilitarized Zone:DMZ)」です。
休戦協定上、DMZ内への重火器の持ち込みや軍事施設の設置は禁じられていますが、実態としては双方が多数の前哨基地(GP)を設置し、強固な鉄条網フェンスと無数の地雷原で囲い込んでいます。70年以上にわたって民間人の立ち入りが完全に遮断された結果、皮肉にも手つかずの大自然や絶滅危惧種の生息地となっていますが、足を踏み入れれば命の保証はない危険地帯です。
このDMZの中で、南北の兵士が唯一直接顔を合わせて対峙してきた特別な場所が板門店(パンムンジョム)の共同警備区域(JSA)です。かつては青い会議用バラックの真ん中を走る境界線を挟み、国連軍(米韓)と北朝鮮軍が警備を行っていましたが、近年の情勢悪化に伴い非武装化合意は破棄され、警備兵の再武装化と往来の完全断絶が続いています。