質量数とは?原子番号や原子量との違いと中性子数の計算を完全解説
教科書を読んでも頭の中で知識が散らかりやすいのは、「質量数」「原子番号」「相対質量」「原子量」の4者が互いに密接にリンクしているからです。試験作成者は、この4つの定義のズレを突く引っかけ問題を好んで作問します。
違いを曖昧な感覚ではなく、客観的な数値基準と物理的定義によって明確に差別化した比較データを提示します。
質量数に単位がない理由と相対質量との決定的な違い
定期テストの記述問題で減点対象になりやすいのが「単位の有無」です。「質量という言葉がついているのだから、g(グラム)をつけるべきではないか」と勘違いしてしまう受講生が少なくありません。
質量数に単位がない理由は極めて明快です。質量数は原子の重量を計量した数値ではなく、「陽子何個と中性子何個が集まっているか」を示した純粋な個数の足し算(カウント数)だからです。りんごが3個、みかんが4個あるときに「合計7個」と言うのと同様に、物理的な次元(gやkg)を持ちません。
一方、相対質量との決定的な違いは、「個数」か「質量の比率」かという点にあります。相対質量は、基準となる質量数12の炭素原子(¹²C)の重さをきっかり「12」と定めたとき、他の原子1個がどれだけの重さを持つかを実測して求めた無次元の比率です。
陽子や中性子は結合する際にわずかな質量欠損を起こすため、厳密に測定した相対質量は「34.969」といった端数を含んだ数値になります。しかし高校化学の現場では、「相対質量は、ほぼ質量数と等しい」とみなして計算を進めることが認められています。この運用ルールが、学習者を混乱させる一因にもなっています。