質量数とは?原子番号や原子量との違いと中性子数の計算を完全解説

質量数とは?原子番号や原子量との違いと中性子数の計算を完全解説について押さえておきたい 注意点を分かりやすく解説いたします。

教科書を読んでも頭の中で知識が散らかりやすいのは、「質量数」「原子番号」「相対質量」「原子量」の4者が互いに密接にリンクしているからです。試験作成者は、この4つの定義のズレを突く引っかけ問題を好んで作問します。

違いを曖昧な感覚ではなく、客観的な数値基準と物理的定義によって明確に差別化した比較データを提示します。

項目詳細・数値データ一般的な基準・定義編集部の見解・見分け方のコツ質量数必ず「整数」(例:12, 13, 35, 37)原子核内の「陽子数 + 中性子数」の合計個数個数のカウントであるため単位なし(無名数)。元素記号の左上に書く。原子番号必ず「整数」(例:1, 6, 17)原子核内の「陽子の数」。元素の種類を決定する。周期表の並び順そのもの。中性原子では電子数と一致する。相対質量¹²C=12を基準とした実測比(例:¹H=1.0078, ³⁵Cl=34.969)質量数12の炭素原子1個の質量を「12(基準)」としたときの比率特定の同位体1個に注目した値。比率のため単位なしだが小数を伴う。原子量周期表記載の平均値(例:C=12.011, Cl=35.45)地球上に存在する同位体の相対質量を、存在比率で加重平均した値計算問題の基準値(モル質量計算に使用)。比率の平均なので単位なし。

質量数に単位がない理由と相対質量との決定的な違い

定期テストの記述問題で減点対象になりやすいのが「単位の有無」です。「質量という言葉がついているのだから、g(グラム)をつけるべきではないか」と勘違いしてしまう受講生が少なくありません。

質量数に単位がない理由は極めて明快です。質量数は原子の重量を計量した数値ではなく、「陽子何個と中性子何個が集まっているか」を示した純粋な個数の足し算(カウント数)だからです。りんごが3個、みかんが4個あるときに「合計7個」と言うのと同様に、物理的な次元(gやkg)を持ちません。

一方、相対質量との決定的な違いは、「個数」か「質量の比率」かという点にあります。相対質量は、基準となる質量数12の炭素原子(¹²C)の重さをきっかり「12」と定めたとき、他の原子1個がどれだけの重さを持つかを実測して求めた無次元の比率です。

陽子や中性子は結合する際にわずかな質量欠損を起こすため、厳密に測定した相対質量は「34.969」といった端数を含んだ数値になります。しかし高校化学の現場では、「相対質量は、ほぼ質量数と等しい」とみなして計算を進めることが認められています。この運用ルールが、学習者を混乱させる一因にもなっています。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。