ミッフィーはどこの国の生まれ?オランダ発祥の真相と本名・歴史を解剖

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インターネット上の掲示板やSNSにおいて、時にセンセーショナルに語られるのが「サンリオとの法廷闘争」と「ブルーナカラーの厳格すぎるルール」にまつわる噂です。しかし、そこには一般にあまり知られていない感動的な結末と、徹底した表現の哲学が存在します。

2010年、ブルーナの著作権を管理するメルシス社は、サンリオのキャラクター「キャシー(ハローキティの友だちの白うさぎ)」がミッフィーの意匠権を侵害しているとして、オランダの裁判所に仮処分を申請。法廷闘争へと突入しました。ネット上では「泥沼の訴訟争い」と面白おかしく語られることもありました。しかし、この係争の結末を知る人は決して多くありません。

翌2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。甚大な被害を目の当たりにした両社は、即座に法廷闘争の中止を決断します。「争いに莫大な費用と時間を費やすくらいなら、その資金を被災地の復興と子どもたちの支援のために使うべきだ」という合意が両者の間で電撃的に成立したのです。両社は共同声明を発表して訴訟を完全に取り下げ、係争に要するはずだった法廷費用等を含む計15万ユーロ(当時のレートで約1,700万円)を被災地へ共同寄付しました。キャラクターの権利を守るプライド以上に、子どもたちの笑顔と生命を何よりも尊んだブルーナと関係者の姿勢は、国際法務の歴史においても極めて人道的で美しい和解例として語り継がれています。

また、ミッフィーの絵本に用いられる色彩にも強固な規律が存在します。使用が許されるのは原則として「ブルーナカラー」と呼ばれる基本6色(赤、青、黄、緑、茶、グレー)のみです。しかも、これらは市販のチューブ絵の具ではなく、ブルーナ自身が印刷所と試作を重ねて生み出した特注の色合いです。暖かみのある独特の「ブルーナレッド」、少し緑がかった深い「ブルーナブルー」、喜びを表現する鮮烈な「ブルーナイエロー」。自然界に存在する曖昧な中間色は排除され、輪郭線にはわずかに手が震えたような人間味のある黒い手描き線だけが用いられます。この禁欲的なまでの制約こそが、70年を経ても色褪せないモダンな強度を生み出しているのです。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。