電車内の化粧はなぜ嫌われる?迷惑行為とされる理由と世間の本音
電車内での化粧をめぐる議論を語る上で外せないのが、2016年に東急電鉄が展開した車内マナー啓発ポスターおよび動画広告の炎上騒動です。
「都会の女はみんな美しい。でも時々、みっともない」というキャッチコピーとともに、車内で化粧をする女性を車掌風の女性キャラクターが窘(たしな)める内容のキャンペーンは、公開直後から世論を真っ二つに分断しました。
「マナー違反をズバリ指摘してくれた」「車内の不快な行為に切り込んだ良質な広告だ」と賛同する声が上がった一方で、「なぜ女性の化粧ばかりをターゲットにして『みっともない』と容姿や生き方をジャッジするのか」「泥酔者や足を開いて座る男性など、もっと優先すべき迷惑行為があるはずだ」といった痛烈な批判が殺到。ジェンダー観や表現の妥当性をめぐり、テレビのワイドショーやネットニュースで連日激論が交わされました。
この騒動以降、鉄道各社のマナー啓発ポスターのトーンは大きく変化しました。個人の外見や美意識を否定するような表現を避け、「揺れて危険」「周囲の方へのご配慮を」といった安全面や相互配慮を前面に押し出すアプローチが主流となっています。