電通の高橋まつりさん過労死事件の真相|働き方改革と今日の教訓

電通の高橋まつりさん過労死事件の真相|働き方改革と今日の教訓に関する深掘り解説を分かりやすく解説いたします。

事件の起点となったのは、2015年4月に高橋まつりさんが電通に入社したことでした。文学部を卒業した優秀な人材として期待を集め、同年10月にインターネット広告の運用を担当するデジタル・アカウント業務へ本配属されました。しかし、当時の部署は急成長するネット広告市場の最前線であり、慢性的な人手不足とタイトな納期、そして24時間体制で変動する広告運用データへの即応が求められる過密労働の現場でした。

本配属直後から高橋さんの残業時間は急増しました。業務の過重さに加えて、上司からの理不尽な叱責や指導と称したハラスメントが重なり、精神的・身体的な疲労は瞬く間に限界点に達します。当時のSNSには、「睡眠時間2時間」「生きているために働いているのか、働くために生きているのか分からなくなった」「心身ともに削られていく」といった悲痛な叫びが断続的に投稿されていました。

極度の睡眠不足とうつ病の発症が疑われる状態に追い込まれながらも、弱音を吐くことを許さない職場環境のなかで孤立を深め、2015年12月25日の未明、東京都内の電通女子寮から投身自死という最悪の結末を迎えるに至りました。社会的な知名度と華やかなイメージを持つトップ企業において、入社1年目の若手社員が命を削りながら働かされていた事実は、後に大きな怒りと悲しみとともに報道されることになります。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。