花園神社が怖いと言われる理由とは?心霊の噂や見世物小屋の真相を追う
花園神社の「怖さ」を語るうえで絶対に外せないのが、毎年11月の酉の日に開催される花園神社 酉の市です。開運招福の熊手を買い求める数十万人規模の人波で境内が埋め尽くされるなか、長年異彩を放ち続けてきたのが、日本国内でも数えるほどしか現存しない花園神社 見世物小屋の興行です。
昭和の縁日文化を色濃く残すこの見世物小屋では、毒々しい原色の看板と威勢のいい呼び込み口上、おどろおどろしい太鼓の音が響き渡り、テント内部では蛇食い芸や奇術、怪力芸といった日常では決してお目にかかれないアングラ演目が披露されてきました。初めて酉の市を訪れた若者や外国人観光客にとって、この極彩色でグロテスクな祝祭空間は「カルチャーショック」を通り越し、生理的な恐怖や不気味さとして記憶に刻まれます。
花園神社の境内は、古くからテント劇団「唐組」の紅テント公演が行われるなど、商業主義に回収されない東京のアングラ表現を包摂する「聖域(アジール)」として機能してきました。整然とした近代都市・新宿の真ん中で、人間の業や土着的なエネルギーが剥き出しになるその空間性こそが、人々が無意識に抱く「得体の知れない畏怖の感情」を呼び覚ましている要因と言えます。