川上麻衣子の猫活動が共感を呼ぶ理由|谷中の拠点と愛猫の絆
川上麻衣子さんが2018年に立ち上げた一般社団法人「ねこと今日」。芸能人が動物保護のチャリティに参加する例は珍しくありませんが、自ら法人格を取得し、代表として長期的な運営責任を背負い続けるケースは極めて異例です。彼女を突き動かした最大の理由は、自身が直面した「高齢猫の介護と看取り」、そして日本のペット社会が抱える「飼い主の高齢化と多頭飼育問題」という二重の構造的課題でした。
幼少期をスウェーデン・ストックホルムで過ごした川上さんは、北欧の徹底した動物福祉の価値観に触れて育ちました。スウェーデンではペットショップでの生体展示販売が原則禁止されており、動物を家族の一員として法的に保護する意識が極めて高く保たれています。一方、帰国後の日本で目の当たりにしたのは、空前の猫ブームの裏で生じる殺処分、安易な生体売買、そして高齢化によって愛猫を残して飼い主が入院・他界してしまう孤立の現実でした。
「ただ可哀想な猫を救うだけの保護活動には限界がある。飼い主が正しい知識を持ち、地域全体で猫を見守るネットワークを作らなければ根本的な解決にはならない」。メディアの取材や講演の場で彼女が一貫して訴えてきたこの危機意識こそが、「猫と人が今日という一日を穏やかに生きる」ことを目指す一般社団法人設立の決定打となりました。