遠野なぎこの壮絶な生い立ちと虐待の傷痕|母娘の確執と現在
2013年に出版された自伝的著書『一度も愛してくれなかった母へ、一度も愛せなかった男たちへ』において、遠野さんはそれまで封印してきた壮絶な過去の全貌を明かしました。この自伝本は、芸能界の華やかな話題本とは一線を画し、トラウマに苦しむ一人の女性の剥き出しの告白として大きな衝撃を与えました。
特筆すべきは、遠野さんが世間を賑わせた複数回の結婚と離婚(歴代夫との数日から数ヶ月での超スピード破綻)のメカニズムです。一般的な視点では「結婚不適合者」「奔放な恋愛観」と片付けられがちですが、臨床心理学の観点からは明らかな「愛着障害(見捨てられ不安)」の防衛機制が働いています。
「相手が自分から離れていくのが耐えられない」「近づきすぎると母親のように自分を支配・破壊するのではないか」という極度の恐怖から、相手に過剰な愛情確認を求めたり、関係が壊れる前に自ら関係を断ち切ってしまう現象です。母に無条件で愛された経験を持たない子どもは、大人になっても他者との安定した距離感(バウンダリー)を保つことが極めて困難になります。