ミルフィーユの食べ方決定版!倒すのはマナー違反?綺麗に切るプロ直伝技

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ネット上のマナー解説記事の中には、「伝統的なフランス料理ではケーキを倒すのはご法度」と根拠なく断言しているものが散見されます。しかし、食文化の歴史を紐解くと、この言説が完全な誤解であることが分かります。

ミルフィーユの歴史は古く、原型は中東のアラブ圏で親しまれていた極薄の生地「パータ・フィロ」が7〜8世紀頃にフランスへ伝来したものと言われています。現在のような形としてフランスで確立されたのは約150年前の19世紀後半です。「ミル(mille=千)」「フィーユ(feuille=葉)」の名の通り、幾重にも折り重なったパイの層を味わうための建築物のようなお菓子として発展しました。

当時のフランスの宮廷やサロンにおいて、菓子職人たちは客がナイフを使って切り分けることを前提に設計していました。フランス料理のデザートマナーにおける最優先原則は「美しく崩さずに、口の中で素材の一体感を味わうこと」です。そのためには、物理的に安定する横倒しの状態にすることが、当時の美食家たちの間でも極めて自然な知恵として共有されていました。「倒すのがマナー違反」という俗説は、料理の構造を無視した形式主義的な解釈が生み出した日本のローカルな都市伝説に過ぎません。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。