冷しゃぶそうめん肉がパサつく理由とは?氷水Ngと極上茹で方の裏技

冷しゃぶそうめん肉がパサつく理由とは?氷水Ngと極上茹で方の裏技について詳しく解説いたします。専門家の見解をご覧ください。

冷しゃぶを作る際、茹で上がった肉をすかさず氷水に投入していないでしょうか。実は、この工程こそが肉を硬く、パサつかせる最大の引き金です。一般家庭のアンケート調査や料理レシピの投稿を見ても、およそ6割以上の人が「冷しゃぶ=氷水で締める」と誤認しています。しかし、調理科学において豚肉を氷水につける行為は明確にタブーとされています。

豚肉の脂質(ラード)の融点はおよそ33℃〜46℃。人肌程度の温度で溶け出す性質を持っています。熱を通した直後の肉を急激な氷水にさらすと、融解していた良質な脂が一瞬で白く固まり、ロウのようなざらついた舌触りに変化してしまいます。さらに、急冷によって肉の筋線維がキュッと過剰に収縮し、内部に保たれていたジューシーな肉汁が外へと押し出されてしまうのです。

プロの厨房では、茹で上げた豚肉を氷水に落とすことはまずありません。流水や氷水に浸さず、「ザルに広げて常温で粗熱を取る」、あるいは急ぐ場合でも「バットの底を氷水に当てて間接的に冷ます」のが基本技術です。常温(20〜25℃前後)でゆっくり冷ますことで、脂が液状としっとり感の中間を保ち、噛んだ瞬間に口内の体温でとろける極上の柔らかさが実現します。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。