北村有起哉と妻・高野志穂の絆!名優父との葛藤を超えた実力派の今
1974年4月29日、東京都に生まれた北村有起哉ですが、その若い頃の歩みは決して順風満帆なエリートコースではありませんでした。日本映画学校(現・日本映画大学)に進学した彼は、父親の名前に頼ることを極端に嫌い、自らの足で役者の道を切り拓くことを選びました。
1998年、舞台『春のめざめ』および映画『カンゾー先生』で本格的な俳優デビューを飾ります。しかし、どこへ行っても付いて回ったのが「北村和夫の息子」というレッテルでした。オーディションを受ければ父の顔がちらつき、少しでも評価されれば「親の七光り」と揶揄される現実に、20代の頃は激しい葛藤と自己嫌悪を抱えていたと当時の回想で明かしています。
彼が選んだ打開策は、泥臭い舞台での武者修行でした。プロデュース公演や小劇場の舞台に片っ端から出演し、身体一つで観客の感情を揺さぶる技術を徹底的に磨き上げました。その努力が実を結び、2007年には紀伊國屋演劇賞個人賞、読売演劇大賞優秀男優賞といった権威ある賞を相次いで受賞。名実ともに「一人の独立した表現者」として認められるに至ったのです。
奇しくも父・北村和夫が他界した2007年は、北村有起哉が演劇界で確固たる評価を獲得した転換期でもありました。父が病床で最期に見せた安堵の表情は、息子が「二世」という重圧を跳ね除け、本物の役者として独り立ちした証拠でもあったと言えます。