小説『火花』結末の真相と神谷のモデル|又吉直樹が描いた純文学
小説『火花』は、活字の成功にとどまらず、映像化においても高い評価を獲得しました。特に2016年に配信されたNetflixオリジナルドラマと、2017年に劇場公開された東宝映画は、同一の原作でありながら監督のアプローチや尺の違いによって全く異なる表情を見せています。
総監督に映画『ヴァイブレータ』などで知られる廣木隆一氏を迎えたドラマ版は、日本国内のみならず世界190カ国へ配信され、映画批評家からも絶賛を浴びました。あえてセリフを削ぎ落とし、吉祥寺の街並みや下北沢の劇場の埃っぽさ、二人が無言で歩く夜道をとらえた映像美は、原作小説の持つ内省的なリズムを完璧なまでに再現しています。
対照的に、自身も吉本興業の異才として知られる板尾創路監督がメガホンをとった映画版は、菅田将暉氏と桐谷健太氏という当代屈指のエネルギーを持つ俳優陣を起用。漫才シーンにおけるテンポとグルーヴ感、若者たちのぶつかり合いを前面に押し出し、121分という尺の中で観客の感情を一気に高揚させるエンターテインメント作品として結実させました。